憲法 統治 (H19‐5-2)
以下の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
1 国会議員の資格をめぐる裁判は、司法権の対象である。
2 裁判官の弾劾裁判は、司法権の対象ではない。
3 法律が、国会の両議院によって議決を経たものとされ、適法な手続によって公布されている場合、裁判所は両院の自主性を尊重して、法律制定の際の議事手続の瑕疵について審理しその有効無効を判断するべきではない(H19-5-2)。
4 行政の自由裁量の当・不当の判断については、原則として行政自身に委ね、裁量権の著しい逸脱や濫用があった場合に限って裁判所が判断する。
5 日米安全保障条約は、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものであるため、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものである。
6 衆議院の解散がいかなる場合に許されるかは、両院の自主性を尊重して、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審査権は及ばない(H19-5-4改題)。
7 地方議会議員に対する出席停止の懲罰決議には司法審査は及ばない。
8 大学は、国公立であると私立であるとを問わず、自律的な法規範を有する特殊な部分社会を形成しているから、大学における法律上の紛争は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的・自律的な解決にゆだねられる。したがって、大学の単位不認定処分は、一般市民法秩序と直接の関係を有するので司法審査の対象となる(H19-5-1改題)。
9 政党の結社としての自主性にかんがみれば、政党の内部的自律権に属する行為は、法律に特別の定めのない限り尊重すべきであり、政党が党員に対してした処分は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判は及ばない。
したがって、政党が党員に対して除名処分をした場合であっても、原則として司法審査の対象とならない(H19-5-3改題)。