WEB練習問題(リニューアル中) > 商法・会社法過去問 > 会社法 > 商法・会社法 (H22-36)

商法・会社法 (H22-36)


取締役の法令違反行為につき、株主が行使しうる権利に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 監査役または監査委員が設置されている株式会社の株主は、取締役の任務解怠を理由とする責任追及を行うために、当該会社に対して、営業時間内であれば、いつでも取締役会議事録の閲覧および謄写を請求することができる。

2 監査役または監査委員が設置されている株式会社の株主であって一定の数の株式保有する株主は、当該会社の業務の執行に関し、法令に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときには、当該会社の業務および財産の状況を調査させるために、検査役の選任を監査役または監査委員に請求することができる。

3 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の法令違反行為によって、当該会社に著しい損害が生じるおそれがあるときには、当該取締役に対して当該行為をやめることを請求することができる。

4 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の行為に法令に違反する重大な事実があるときには、当該会社を代表して、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。

5 監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主であって一定の数の株式を保有する株主は、取締役が法令違反行為を継続して行っているときには、直ちに当該取締役を解任する訴えを提起することができる。




解答 3 


1 誤

株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、取締役会議事録の閲覧または謄写請求等をすることができる。

ただし、監査役設置会社又は委員会設置会社においては、株主は、裁判所の許可を得なければ取締役会議事録の閲覧または謄写請求等をすることができない(会社法第371条)。


2 誤

株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、原則として総株主の議決権の百分の三以上の議決権を有する株主又は発行済株式の百分の三以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる(会社法第358条1項)。

例えば、会計帳簿に不実の記載がある場合、株主の会計帳簿閲覧請求権を行使するだけでは、その記載が不実かどうかはわからないので会社の業務・財産状況を調査するために業務財産を調査する検査役を選任することができる。


3 正

「監査役および監査委員が設置されていない株式会社」となっているので非公開会社である。

株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる(会社法第360条1項2項)。


4 誤

監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の行為に法令に違反する重大な事実があるときには株主代表訴訟をすることができ、その手続としては、まず株主は、会社に対して書面をもって、会社による責任追及等の訴えを提起するよう請求することができ、会社がこの請求から60日以内に訴訟を提起しない場合、当該株主は、会社の代わりに、自らが原告となって訴訟を提起することができる。

ただし、会社の債権が時効にかかるなど会社に回復不可能な損害が生じる場合には、60日間待っていることができないため会社への請求なしに直接訴訟を提起できる(847条3項5項)。

よって、株主は「直ちに」責任追及の訴えを提起することができるわけではない。


5 誤

役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決される等によりその効力を生じないときは、一定の数の株式を保有する株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる(会社法第854条1項、2項)。

よって、まず株主総会の決議で否決されることが必要なので、「直ちに」当該取締役を解任する訴えを提起することはできない。





前の問題 : 商法・会社法 (H19-39)
次の問題 : 商法・会社法 (H22-37)

問題一覧 : 会社法

WEB練習問題(リニューアル中) > 商法・会社法過去問 > 会社法 > 商法・会社法 (H22-36)