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憲法 統治 (H19‐5-1) 


以下の記述のうち正しいものはいくつあるか。


1 すべて司法権は、最高裁判所に属する。

2 具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断することは、法律上の争訟にあたり司法権の範囲である。

3 国家試験における合格、不合格の判定も学問または技術上の知識、能力、意見等の優劣、当否の判断を内容とする行為であるから、法律上の争訟にあたらず司法権の範囲外である。

4 具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争であっても、宗教上の教義に関する判断などが必要で、事柄の性質上法令の適用により解決するのに適しないものは、裁判所の審判の対象となりえない(H19‐5‐5)。

5 議員定数不均衡訴訟などの客観訴訟は、当事者間における具体的な権利・義務または法律関係の存否に関する紛争ではないため、司法権の範囲には属さないが、政策的に裁判所で解決できる訴訟である。


1 一つ

2 二つ

3 三つ

4 四つ

5 五つ


解答 3


司法権の範囲に関する問題です。過去問では、司法権の範囲と限界の話が1問の中にミックスして問われているので、範囲と限界の話が区別できることが重要です。


1 誤

「第76条  

すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」


2 誤

具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断することは、当事者間における具体的な権利・義務または法律関係の存否に関する紛争ではなく、事件性の要件を欠くことになります。そのため、法律上の争訟にあたらず司法権の範囲外となります。


3 正

国家試験における合格、不合格の判定も学問または技術上の知識、能力、意見等の優劣、当否の判断を内容とする行為であるから、当事者間における具体的な権利・義務または法律関係の存否に関する紛争ではなく、事件性の要件を欠くことになります。そのため、法律上の争訟にあたらず司法権の範囲外となります。


4 正

板まんだら事件に関する問題です。

まず、当事者間における具体的な権利・義務または法律関係の存否に関する紛争であり、(イ)事件性の要件を満たします。

 しかしながら、当事者の主張立証においても、信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断が核心となっていると認められるとしています。

そのため、結局本件訴訟は、その実質において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであるとして、(ロ)終局性の要件を満たさないことから、法律上の争訟にあたらず司法権の範囲外であるということです。

 寄付で安置された「板まんだら」が本物かどうかは、その宗教の教義等も判断しないとわからないので、裁判官にもよくわからないでしょう。

そのため、例え事件性の要件があっても終局性の要件がないため裁判所では解決できない問題ということです。

なお、解説の便宜上、肢2から4まで事件性の要件と終局性の要件について区別して解説してありますが、余裕がなければ、とにかく法津上の争訟にあたらないということをまず押さえておきましょう。


5 正

 客観訴訟とは、客観的な法秩序の適正維持を目的とする訴訟のことをいうところ、裁判所に紛争の解決を担わせるのが最も公平かつ適切であるという役割分担の問題として、立法政策上客観訴訟を裁判所の担当にしたのです。

つまり、国会の立法政策なので、裁判所法を制定した当時の国会の判断であるということを意味する。客観訴訟は、法律上の争訟ではなくても、法的な紛争解決機関である裁判所で判断されるべき問題としたのです。

裁判所法3条1項の「特に定める権限」が客観訴訟に対する裁判所の審査権限の根拠となります。




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