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憲法 人権 (H27-3)


外国人の人権に関する次の文章のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。


1  国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法 13条の趣旨に反するが、この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。

2  わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。

3  政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。

4  国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することはわが国の法体系の想定するところではない。

5  社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によってこれを決定することができる。



解答 1



肢1 誤

指紋押捺を強制されない自由は個人のプライバシー権として憲法13条で保障され、その人権の性質上外国人にも等しく保障されます。

肢2 正

マクリーン事件からの出題です。

『憲法上、外国人は、わが国に入国する自由を保障されているものでないことはもちろん、所論のように在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されているものでもないと解すべきである。』

外国に一時旅行する自由には、日本から出国し、外国に一時滞在後、日本に再入国する自由が含まれます。つまり、この問題は、わが国に在留する外国人に再入国の自由が憲法上保障されるかどうかを問う問題と等しいということがわかれば正解できるでしょう。

外国人には入国の自由が憲法上保障されていないのです。

国際慣習法上、外国人の入国を許すかどうかは、国の主権に関わることなので、国の裁量に委ねられているのです。

例えば、職を求めて日本に大量に外国人が入国してくると、日本人の職の安定や治安の面から問題となるからです。

では、再入国の自由はどうでしょうか。

再入国の自由=出国の自由+入国の自由ですから、入国の自由が人権として保障されていない以上、同様に人権として保障されていないと考えていいでしょう。

肢3 正

これもマクリーン事件からの出題です。

『憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきであり、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶものと解するのが、相当である。』

肢4 正

本肢は、外国人の公務就任権が憲法上保障されるかどうかについての問題です。公務就任権は、職業選択の自由ともいえますが、大きな意味で地方の政治に関わるものですから、参政権の問題として考えていたほうがいいでしょう。公務員といっても様々な種類がありますので、今後の出題可能性の点からしても場合を分けて押さえておく必要があると思います。国民主権と関わる公務としては、例えば国会議員、省庁等の行政の公務員、裁判官などがあります。これらの公務就任権は、権力的な作用(国家権力との結びつきが強い)を有するという権利の性質上、外国人には保障されないと押さえておいてください。

次に、例えば、地方における公立高校の英語教員や地方公共団体の統治作用に関わらない公務員などは、権力的な作用に関わらないですね。これらの公務就任権は、権利の性質上、外国人には保障されると押さえておいてください。

肢5 正

外国人に社会権は憲法上保障されるかの問題です。

社会権というのは、生活保護などの社会保障を念頭にすればわかると思いますが、国家に生活等を援助してもらうという権利です。ですから、社会権は後国家的権利なのです。

そうすると、外国人はまず自国にその保障を求めるべきであり、人権として保障するというのは、将来の問題として考えるべきとされています。ですから、人権としての保障は現段階ではできないものの、立法政策として保障をしても許容されるということです。つまり、外国人側から日本国に対して生活を保障するように要求することはできないものの、日本国側が法律によって外国人に対する生活保障を定めることはできるということです。



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