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基礎法学 (H22-1) 


法令の用語として「又は」と「若しくは」の用法は、選択される語句に段階がある場合には、段階がいくつあっても、一番大きな選択的接続に「又は」を用い、その他の小さな選択的接続には、「若しくは」を用いる。次の、地方自治法180条の2の条文中の空欄[ア]~[オ]に当てはまる接続詞の組合せとして、妥当なものはどれか。

  「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会[ア]委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員[イ]これらの執行機関の事務を補助する職員[ウ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、[エ]これらの執行機関の事務を補助する職員[オ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。但し、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」


  ア      イ     ウ    エ     オ

1 又は   若しくは 若しくは 又は   若しくは

2 又は   若しくは 若しくは 若しくは 又は

3 若しくは 又は   若しくは 若しくは 又は

4 若しくは 若しくは 又は   若しくは 又は

5 若しくは 又は   若しくは 又は   若しくは




解答 1 


本問は、地方自治法180条の2の条文の知識は全く不要です。正解のためのポイントは、「又は」と「若しくは」の使い方を知っているかどうかです。もし地方自治法18 0条の2の条文をみて「知らないよ~」と思った方は基礎法学の問題であるということを改めて認識して冷静に対処できるようにしておきましょう。

また本問ではヒントもありますので容易に解けて欲しいです。

 まず、「又は」と「若しくは」は、両者とも選択的接続詞として使われます。

接続詞によって結合される単語の種類や概念のレベルが異なる場合、小さな接続には「若しくは」を使用し、大きな接続には「又は」を使用します。

 例えば、それぞれ2種類の肉と魚のうちから一つを選ぶ場合、牛肉若しくは豚肉又は秋刀魚若しくは鮭から選ぶと表現します。

 肉(牛肉若しくは豚肉)又は魚(秋刀魚若しくは鮭)と括弧でくくるとわかりやすいと思いますが、肉と魚という種類が異なる場合の接続詞は「又は」です。そして、同じ種類のうち、この場合の肉の中の牛肉と豚肉を結合する接続詞は「若しくは」となります。

 ただし、接続詞によって結合される単語の種類や概念のレベルが同じものの場合は「又は」を使います。

 例えば、上記の例ですと、2種類の肉のうちから一つを選ぶ場合、牛肉又は豚肉から選ぶと表現します。

また、同じ種類の語を2つ以上続ける場合「、」で結合して、最後に「又は」にします。

例えば、牛肉、豚肉、鶏肉又は羊肉から選ぶと表現します。

 以上より、大きな結合や同じ種類の結合に使用する接続詞は「又は」であり、異なる種類の結合のうち小さな結合に使用する接続詞は「若しくは」となるのです。

 なお、条文において「、」が出てきた場合、これは上記の並列の意味の他に、前の文章とは意味が異なる区切りとしての機能を持つものもあります。

 例えば、民法第5条1項をみてください。

第五条  

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。


ただし書き以下に着目してください。

「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為」には「、」の前後で異なる意味内容の文章が含まれています。


①単に権利を得る法律行為

②義務を免れる法律行為


このように「、」の前後で異なる2つの意味内容の文章が含まれています。

 ですから、「、」の後には「又は」が接続詞として使用されているのです。

 普段条文を正確に読んでいればお分かりになると思います。

 以上を前提に問題を見ると、1~5の選択肢には、「又は」と「若しくは」の両方が必ず含まれていますから、この条文は単語の種類や概念のレベルが異なる場合の文章があるということは容易にわかります。

 そして、「委任し、[エ]これらの」に注目すると、前の文章とは意味が異なる区切りとしての機能を持つ「、」ではないかと推測できます。

 「、」の前後の文章をみてみると、「、」の前は「職員に委任」であり、「、」の後は「職員に補助執行」なので、「、」の前後で異なる2つの意味内容の文章が含まれていることに気がつきます。

 そのため、エには、「又は」が入るとわかるでしょう。

 そうすると、消去法で肢1と5のみが残りますね。

 両者の違いは、アとイの「又は」と「若しくは」の順序のみです。

 ここでもう一つのヒントをみます。条文の最後の文をみると、「但し、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」とありますね。

 「委員会又は委員」とあるので、ここは接続詞によって結合される単語の種類や概念のレベルが同じものの場合の「又は」です。

 そうすると、同じような意味で使用されている「当該普通地方公共団体の委員会[ア]委員と協議して」のアには、「又は」が入ると推測できるでしょう。

 これで肢1が正解となります。

 しばらく類似問題は出題されないかもしれませんが、「又は」と「若しくは」や「、」の使われ方を一応押さえておいて下さい。

なお、「及び」と「並びに」も同様に使用されます。大きな結合に使用する接続詞は「並びに」であり、異なる種類の結合のうち小さな結合に使用する場合や同じ種類の結合の場合の接続詞は「及び」となります。

上記の例ですと、「牛肉及び豚肉並びに秋刀魚及び鮭」となります。

「又は」「若しくは」とは少し異なりますので合わせて押さえておきましょう。





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