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行政法 行政手続法 (H17-10) 


申請についての行政手続法の定めに関する次の記述のうち、妥当なものはいくつあるか。


ア 補助金の交付申請は、法令に基づかない申請であっても、行政手続法上の申請とみなされる。

イ 行政手続法上の申請のうち、行政庁が諾否の応答を義務づけられるのは、許可あるいは認可を求めるもののみに限られる。

ウ 許認可の申請にあたっては、申請者には申請権があり、行政庁には申請に対する審査・応答義務があるので、形式要件に適合している限り、申請書類の返戻は許されない。

エ 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。

オ 申請に対し許認可を与える場合、それは、申請通りの内容を行政庁として認めることを意味しているので条件を付すことは許されない。


1 一つ

2 二つ

3 三つ

4 四つ

5 五つ


解答 2 


行政手続法における申請に関する問題です。

申請の定義(2条3号)および申請に対する審査、応答義務(7条)を知っていれば、簡単に解けます。

もっとも、仮に条文上の正確な知識がなかったとしても大きな視点から考えて正解を導くこともできます。

法律による行政および「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスという行政手続法の大きな視点で考えてみましょう。


(肢ウとエ)

行政手続法における申請は、主権者たる国民が、行政庁による許認可等の処分がなされることを期待してする申請ですから、いわば国民の自由・権利を、行政庁が実現する手続きです。

それゆえ、国民の自由・権利が行政によってむやみに制限されず、かつ円滑・迅速に実現できるように、行政手続法で規定されているはずです。

ですから、国民の自由・権利を必要以上に制限しないように、行政庁は、申請が形式的要件を満たせば、拒否事由がない限り、処分に向けて審査・応答しなければならないのです(行政手続法7条)。

そして、行政庁は、適法な申請が到達した時点で、円滑・迅速な行政サービスの実現のために遅滞なく申請の審査を開始しなければならないのです(行政手続法7条)。

このように、申請は、国家からの自由=自由主義的要請および国家による自由=福祉主義的要請のバランスが図られているのです。

よって、肢ウとエは正しいのです。

なお、行政手続法の成立前は、行政裁量により独断で申請を受理するか否かを判断することができ、不受理の場合、申請書類の返戻は許されていました。これでは、申請者の自由と財産を不当に圧迫することから、行政手続法の成立によって、国民の自由・権利を守るために手続の公正・透明化が図られたのです。


(肢ア)

行政手続法における申請は、許認可等の行政処分に向けられているので、申請と行政処分は表裏一体、密接不可分の関係にあります。

その申請に対する行政処分は、法律による行政によって、法律の根拠に基づいてなされなければならないですから、密接不可分の関係にある申請もまた法令に基づかなければならないのは当然のことです。

そのため、申請とは、法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいうのです(2条3号)。

したがって、法令に基づかない申請であっても、行政手続法上の申請とみなされることはありません。よって、肢アは誤りです。


(肢イ)

上記の定義からも明らかなように、申請には、行政庁の許可、認可の他、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)も含まれるのです。

また、行政処分=行政行為と一般に解されていますから、行政処分に行政行為の分類にある許可・認可の他に、特許の一種である免許等が含まれるのは当然ですね。ですから、行政処分が、許認可に限られるわけではありません。よって、肢イは誤りです。


(肢オ)

条件とは、附款です。附款とは、行政行為の効果を制限したり、あるいは特別の義務を課すため、主たる意思表示に付加される行政庁の従たる意思表示をいいます。

附款は、行政庁の意思表示によって成立する法律行為的行政行為のみに付すことができます。

法律行為的行政行為には、許可・免除などの命令的行為および特許・認可などの形成的行為が含まれます。上記の定義から、申請に対する許認可等という行政処分も法律行為的行政行為であることがわかりますね。

したがって、申請に対する許認可という行政処分も法律行為的行政行為ですから、それに付する附款の一種である条件を付すことも可能なのです。よって、肢オは誤りです。

以上より、妥当なものは、肢ウ、エの二つですから、2が正解ですね。このように、法律による行政および「個人の人権保障」と「円滑・迅速な行政サービスの実現」のバランスという行政法の大きな視点からも正解が導くことができるので、参考にしてみてください。



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