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憲法 人権 (S62-28)


下記の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし妥当なものはどれか。


1 私有財産の収用が行われた後に、収用目的が消滅した場合は、法律上当然に、これを被収用者に返還しなければならない。

2 直接、憲法29条第3項を根拠にして、補償請求をする余地はない。

3 災害を未然に防止するため、条例で補償なしに財産権の行使を制限しても憲法に違反しない。

4 私有財産を公共のために収用し、又は制限する場合には、すべて補償を要する。

5 私有財産を公共のために用いる場合の正当な補償とは、自由な市場取引において成立すると考えられる価格と一致することを要する。



解答 3


テキストを勉強した後なら肢1以外は、すぐに正誤の判断ができますね。

肢2は、直接、憲法29条第3項を根拠にして補償請求できるので、誤りですね。

肢3は、上記の奈良県ため池条例事件の問題ですから、2項の公共の福祉による制限であって、特別の犠牲ではないですから補償は必要ないですね。よって、正しいです。

肢4は、これも肢3と同じで2項の話ですね。よって誤りです。

肢5は、正当な補償には2種類ありましたね。よって誤りです。

肢1は少しわかりにくいかもしれませんが、肢1以外の肢が理解できていれば、あまり気にしなくてもいいです。

私有財産の収用後に損失補償がなされ、その後に収用目的が消滅した場合の法律関係を聞いているのです。

これは民法に置き換えて考えてみるとわかりやすいと思います。

収用と損失補償を売買契約に置き換えると、売買契約に基づいて、売主が土地を明け渡して、買主が金銭を支払った場合に、その後に買主にとって売買の目的が消滅したとしても、契約自体が無効、取消、解除がなければ、返還義務などは生じませんよね。

同じように、収用目的が消滅しても法律上当然に、これを被収用者に返還しなければならないことはないのです。

収用目的の消滅と、被収用者への返還とには因果関係がないのです。よって、誤りです。

初心者の方はこの肢1がよくわからないかもしれませんが、また民法を勉強した後に戻って復習してみてください。

以上より、肢3が正しく正解です。




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